お知らせ

NEWS

2022.01.24
加盟学会
言語文化教育研究学会 言語系学会連合共催イベント ヒューマンライブラリー「日本人のマジョリティ性」開催報告

 

言語文化教育研究学会では交流会として1月22日(土)に言語系学会連合との共催イベントを開催いたしました。以下は本イベントのグラレコ(グラフィックレコーディング)です。

本イベントは、人が「本」になり、その人の生き方や人生を語り、聴き手である「読者」と対話をする「ヒューマンライブラリー」として開催しました。ヒューマンライブラリーの多くは、社会的マイノリティとして位置付けられる人たちを「本」役にして、「読者」も「本」も無意識に身につけてしまっている差別や偏見につながるステレオタイプを払拭することを目的としています。一方、本イベントでは、自身のマジョリティ性に気づくことで、マイノリティとマジョリティという二項対立を乗り越えるためのアクションを起こすきっかけを生み出すことを目標とし、「日本人のマジョリティ性」というテーマを設定しました。

具体的には、7名の「本」役を招き、1枠30分のトークセッションを14枠つくり、1枠「読者」を5名までとしました。「本」には、横浜市職員、夜間定時制高校の教師、宗教家、地域日本語教育者、大学院生、コンサルタント会社社員など多様な人たちに務めていただきました。「読者」は、国内外の言語教育に携わる教師、言語教育を研究する大学院生を中心にさまざまな背景を持つ人たちが集まりました。

本イベントは、新型コロナウィルス感染拡大防止のためオンライン開催としました。「読者」の定員を35人としたところ、参加申し込み締め切り前に定員を上回る応募がありました。しかし、急用や体調不良などによる欠席もあり、「読者」は26人でした。「本」7名とスタッフ8名を含めると合計41人の参加となりました。

セッション終了後には、「おわりの会」を開き、セッションを振り返って感想を言い合いました。「本」に感想を聞いたところ、「無意識に発した言葉や自分の足りない点について省みる機会となった」、「自分の弱さに気づくきっかけになった」、「マジョリティであることに感謝をし、決しておごらないことが大切であると考えた」、「マジョリティ、マイノリティという言葉の意味を問い直したいと思った」、「具体的な行動に移していかなければならない」「自分の意見を再構築し、過去を再整理できた」、「日本はこれから全体として外国ルーツの人を受け入れるべきだと思った」という声が聞けました。

総じて、「本」による「日本人のマジョリティ性」についての語りは、「本」自身にも新たな気づきを促したことがわかりました。また、イベントの最中に読者一人一人に感想を聞くことはできませんでしたが、アンケート結果によると、マジョリティ性に気づくことの重要性が認識できたという意見がある一方、マジョリティ、マイノリティという区別自体に違和感を感じたという意見もありました。

言語文化教育研究学会の交流会は会員に限らずどなたでも参加できます。今後の交流会にぜひご参加ください。

 

会員学会リンク

MEMBERS

言語系研究機関リンク

RESEARCH INSTITUTION

バナーを表示
  • 国立国語研究所
  • 日本学術会議
PAGE TOP